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2010年 01月 28日

生きてることが切ないね

毎朝1時間の散歩
何となく知っていた豆腐屋さんで何となく
買ってみようと思った
特にお腹が減っているわけでもないのだが
心地よい春風に後押しされて
いつも妻に言われて締めていた財布のひもが緩んだ

油揚げ、がんも、絹、綿・・・
店構えからすれば、妙に小さい陳列ケース

店の奥におじさんと座イスに座ったきりのおばあさんがいた
「絹、1つ下さい」
「1丁でいいですか?」
「・・・はい」

むかし、実家の隣りに豆腐屋があって、幼い頃母に言われて豆腐を買いに行かされた
そのときは1丁と言っていたのに、いま、「1つ」と言ってしまったことを軽く後悔した

でも何だか嬉しかった
今や何も言わずとも欲しいものが手に入る
だがスーパーやコンビニ、ネットでの買い物は単なる「金銭の授受」に過ぎない
そこにはお釣りを渡すときの手の温もりだとか、何気ない挨拶は存在しない
人が人を介して「買い物をしている」感覚を思い出したのだ

おじさんがケースから出している間、美味しそうな油揚げがあったので
「油揚げもください」
「はい」

絹豆腐200円
油揚げ100円
合わせて300円
だがこのとき小銭は500円玉しかなかったのでそれを出した
「すみません500円で」

おじさんは奥に戻った
小銭の入った、菓子折りの箱で作った箱を取って戻ってきた

だがこのとき、座イスに座ったきりのおばあさん-そのおじさんの母親であろう-が、
息子が釣銭を取りに来たことを察知して、立ち上がろうとした
子どもの背丈ほどのタンスの上にあった釣銭の入った箱を渡そうと思ったのだろう

しかし思うように立ち上がれず、途中であげた腰をまた下ろした


・・・
何だか切なくなった

おじさんもあとどのくらいやれるのだろう
店はいつかは閉まる


帰って食べてみた
油揚げに火を通し、
豆腐はそこに醤油をかけるだけ

醤油が豆腐にじわじわと侵食していく
かけすぎたかな

生きてるだけで丸儲け
とさんまさんが言っていた

だが生きてること自体切ないのではないか
争い、憎しみ、傷つけ・・・

約束していたサッカー観戦を仕事のため行けなくなったことでこじれて以来、連絡をとっていない
大学時代の友達
昨日携帯に着信があった
また電話しようかどうか迷っていたり

先日、別の気の合う仲間2人と飲み会を開いた
ただ、飲んでいてもその2人は仲良しだが、僕は後から友達になった身
なんだか心を開けなくて無理に飲むピッチをあげてみたり

そんなことを想いながらいま、僕は豆腐と油揚げを食べるのである

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by misejimai | 2010-01-28 12:48
2010年 01月 17日

屍の街

去年の秋に僕の活動が日経新聞に掲載されたとき、
すでにお店を閉めた方から手紙をいただいた。

1つ目は福生の豆腐屋さん、
2つ目は中野ブロードウェイの呉服屋さんだった。

そして今、僕はかつて呉服屋さんの主人であった
末次貞一さん(66歳)と、かつてお店があった中野ブロードウェイを歩いている。

フィギュア、トレーディングカード、古本…
雑然とした空間の中で、他の客に聞かれないように、
末次さんが小声で「ここは薬屋だった」「ここも同じ呉服屋だった」とつぶやく。

末次さんの店「丹後屋」のオープンは1972年。だが11年前、その28年の歴史に
幕を閉じた。

高級ブランドショッピングモールだった中野ブロードウェイ。
客もそれなりのハイソな人が来ていた。

末次さんは、かつて呉服問屋に勤めていた経験を生かし、お客に合わせて商品を変えて
いった。
「義理人情といったものはなかったかもしれないんだけどもさ、
 商品だけで結びついている関係だったかもしれないが美的センスには自信があったよ」
末次さんの薦める着物はことごとく、その人に似合っていたという。

だが1980年に開業した「まんだらけ」が徐々に中野ブロードウェイを浸食し、
それにつられて他のテナントも業種が激変。

自ずと寄りつく客層も変わってしまい、
それまでは冷やかし客でも100人いたのが0人になってしまった。

そして末次さんのかつてのお店の跡地には、
ほほえみをたたえた美少女フィギュアがガラスケースの中にひしめいていた。



文化が文化を駆逐するということは商業の定理である。
だから必要以上にセンチメンタルに浸ってもいられないし、別段、このブロードウェイは
むしろ個人的に好きだったので(いい漫画が揃うので)、
萌え萌えの美少女を見ながら、なんだか無性に腹が立って、悲しくなってきた。

末次さんと再会を期して、駅前で別れた。
「お会いできてよかったです」。
深々と礼をすると、踵を返して去っていった。

末次さんは今後、自分の経験を生かして零細企業や小企業への経営相談所を設立すべく
準備しているという。

別れた後も末次さんの言葉が頭から離れなかった。
「ここは死んだんです」
「ここは?というと」
「中野ブロードウェイです」
かつての店を前にしての末次さんの言葉は重かった。

あなたの街の商店街は死んでますか?
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by misejimai | 2010-01-17 23:51
2010年 01月 09日

注意書き

最近、やたらといろいろな注意書きが目につく。
今日はこんなものを見つける。
e0030939_2355590.jpg「無断での貼紙、お断りします」・・・
では、「ちょっと貼らせてください」ことわりを入れたら、貼り紙をしていいのかと
言えば、まあ多分ダメだろう。

いやしかし、仮にもこういうボードを貼り出して注意を喚起しているということは、
例えば、何か貼り出すことが必要とされる事柄であれば容認しなくはないよ、と
とらえてもいいのかもしれない。素直にこの文章を受け入れてもいいのかもしれない。

貼り出すことが必要とされる事柄-例えば政治家の演説会だとか、地域のバザー
だとか、広く人々に知ってもらい、社会活動に貢献するようなことであろうか。

ただ、本当は、これを貼り出した人は、「貼り紙禁止!」と、ことわりを入れようが
入れまいが、有無を言わさず貼り紙を禁止するボードを買いたかったのかも
しれない。
しかし、それがホームセンターにたまたま無くて、やむなく
「無断での貼紙お断りします!!」
と幾分トーンが落ち着いたものを買って貼り出したとも考えられる。

そして、これを買った理由を以下のように推察することが容易にできよう。

万が一、「貼紙禁止」という強い語調のボードを買って貼りだしたら、
近所のおばさんたちに「あそこのご主人、『貼紙禁止』なんていう、
上から目線バリバリのボードを貼ってるわ」と言われてしまいかねない。
そう、ご主人は日ごろ周囲から偏屈で通っているのにこの一件でさらに
イメージを損ねることに珍しく危機感を感じ、
敢えて柔らかめの語調のこのボードを買ったのかもしれない・・・



と、1枚の貼り紙から始まるとりとめもない勝手な妄想は、誰にもことわりを入れる必要がないので実に面白いのである。

そういえば「無断」とは「ことわりなく」、つまり許可なくということである。
だから、「断る」という言葉には元来「許可をする」という意味があるのだ。
しかし、「お断りします」という言い回しだと、それは
「拒否する」ことを意味する。つまり「断り」は正反対の意味を持つ不思議な言葉なのだ。

・・・で何?
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by misejimai | 2010-01-09 00:42 | 注意書き
2010年 01月 07日

少女からの表彰状

今日の店じまいは、江東区千石にあった、「とんかつ ひら井」。
夫婦2人でやっている店だった。


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ガラスケースの中に張ってある、
閉店貼り紙。











この貼り紙の下に、お客さんからであろう、手紙が貼ってあった。
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まだお店がやっているときに来店した小学生が送ったものらしい。
「これからもお体にきをつけて」という言葉が今となってはちょっと悲しい。

片づけ中で気ぜわしいご主人に電話で尋ねてみた。

Q.貼り紙の下にお手紙がありましたが。
A.お客さんで来た子が手紙をくれたのさ。ありがたいよね。
  今回閉めるから、ちょっと貼っておこうと思ったわけ。誰かに教えたいじゃない、なんか。
  その子が通りかかったら喜ぶんじゃないかな。人の気持ちは大切にしなきゃと思ってさ。




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閉店したことは、少女やその家族には特段、知らせていないという。
だから、
この店の前をもし通りがかった時、というより再度食べに来ようとやってきた時、
初めて知ることになるのかもしれない。
自分が店に宛てた手紙が飾られていると分かった時、彼女はちょっぴり恥ずかしく
なるのかもしれない。でも誇りに思って欲しいと思う。

なぜなら、ご主人にとって、「おいしかった」と直接声はかけられても、こうしてお客
さんから手紙をもらうようなことは初めてだったから。

一徹なご主人の心をじんわりと満たしてくれた最初で最後の手紙は、いわば40年の歴史への表彰状といったところだろうか。

この手紙は、少女がこの店でもらった美味しかった想い出と同じように、ご主人の
一生の宝物になるに違いない。
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by misejimai | 2010-01-07 14:54 | とんかつ屋さん
2010年 01月 06日

ndとrd

1stはfirst
2ndはsecond
3rdはthird
である。

で、
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サ、セ、サカーンド?
4周年の時も4ndとかにするのかな?
他のアニバーサリー(anniversary)やキャンペーン(campaign)
のスペルは合ってるのにね。
ま、いいけどさ!







今年でこのブログも5nd、いや5thです。
10nd、いや10th目指して頑張ります。
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by misejimai | 2010-01-06 12:02 | だって!
2010年 01月 05日

鳩山首相の別荘に落ちていたどんぐり

実家の長野に帰った時に、鳩山首相の別荘に落ちていたドングリを手に入れた。
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電子レンジに入れて加熱し、食べてみた。
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最初はピーナッツのような噛み心地と味わいだったが、あっという間に口の中に渋みが広がり、それはそれは食べられたものじゃない。

そういえば、どんぐりころころの3番の歌詞は諸説あるが、こんなのがある。
「どんぐりころころ 泣いてたら やさしい鳩さん
 飛んできて 山まで送って くれました どんぐり
 お礼を 言いました」

人間の鳩さんはこの歌のように日本を優しく
してくれるのか。




※ぼちぼち更新します。
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by misejimai | 2010-01-05 22:57