店じまい・店びらき ~閉店のヘキレキ~

misebiraki.exblog.jp
ブログトップ

<   2007年 03月 ( 9 )   > この月の画像一覧


2007年 03月 27日

悲しみジャンクション

今日の店じまいは、池尻大橋の中華料理屋さん、南雲(なぐも)。
豆腐料理の店といってもいい。9割が豆腐料理。
去年の12月に休業したことは知っていたが、
久しぶりに来てみたら閉店していた。
どうやら休業の貼り紙を出してから間もなく、らしい。
e0030939_20594798.jpg










昭和44年創業。もともとはお豆腐屋さん。
以前は渋谷駅の裏に支店があった。

歴代首相や多くの芸能人をも虜にしたメニューの名は
「バンバン豆腐定食」。
豆腐の上に蒸した鶏と、ネギ、中華くらげときゅうり。
それに自家製ゴマタレがかかったもの。
大豆は国産大豆を使い、にがりは天然のにがりを利用した、
極上のお豆腐。



気さくな主人は推定80歳以上
手を挙げて「ありがとねー」 と手を振るのが大好きだった。

いつかのどこかの番組で、おぎやはぎの矢作が、
「池尻大橋に南雲っていう店があってさ、
ここのチャーハン好きなんだよね」と言っていた
もう閉まってしまいましたよ、矢作さん。



e0030939_2113460.jpgここからすぐ近く、目黒川沿いの桜が綺麗だった
今や建設中の大橋ジャンクションが大きな口を開け、
コロセウムが住宅地にあぐらをかいている



















e0030939_213235.jpg

















ちょうど首都高の中を見学する見学会をやっていた

e0030939_212236.jpg


「普段はなかなかは」・・・?
「普段はなかなか」でいいよね











e0030939_2123364.jpg中を特別に見せてもらったが、
担当のおじさんが何をしゃべっていたのか、
あまり覚えていない











2日経った今も、思い出せない
思い出すのはおじさんの手を振る姿だけ

e0030939_2102240.jpg
[PR]

by misejimai | 2007-03-27 21:13
2007年 03月 25日

悪趣味

NHK「熱中時間」で、司会の薬丸さんは最初、「不謹慎じゃないですか」と反応した
喫茶クエスチョンのマスター代行は、「悪趣味」と言い放った
テレ東「マニアの叫び」で、司会のブラザー・トムさんが「いいなあ、人の不幸を楽しむって」とつぶやいた

そう、こんな趣味は人間の風上にも置けぬ鬼畜である
でもいいじゃん、汚くったって。
人間はどうせ母親の膀胱から綺麗なままで生まれてきたわけじゃなし
最後は、垂れ流しながら老いていく

閉店を以って伝えられるものがあるならば

閉店が男子一生の恥だなんて口を閉ざすぐらいだったら
次の未来に何も残らない根無し草

街を諦めるな


先日、東池袋の大勝軒に行った
そこから数百メートルの場所にある古めかしい喫茶店も閉店していた
大勝軒は7時間待ちの大行列、喫茶店はガラガラ

大勝軒にはいくつものテレビカメラの放列
もちろん喫茶店には誰も見向きもせず

大勝軒も喫茶店も同じ再開発で、である

有名無名問わず閉めることに真摯に見つめ、
なぜ再開発なのか、街が変わっていく、新しくなっていくことの功罪は
何なのか、そういうところも掬い取っていって
ほしいと思いつつ

そして日本人の大好物「ノスタルジー」で終わらせずに、
店が、山岸さんが残したものは何なのか、本当に考えて欲しい

あ、長くなりました。

ちなみに喫茶店の名前は「TIME」
時の止まった古めかしいお店です

[PR]

by misejimai | 2007-03-25 13:03
2007年 03月 24日

首都圏の閉店スケジュール

2月28日 秋葉原 メイドカフェLittle PSX

2月28日 神保町 そば屋さん 更科

3月1日  新橋 スナック とも子 

3月1日  青山 ラーメン屋さん 牡励湯・・・二子玉川・鮎ラーメン姉妹店

3月4日  津田沼 白山眼鏡 ジョン・レノンがかけていたメガネ

3月9日  神保町 喫茶店 Lobby

3月10日 広尾 湯澤製麺・・・一玉60円 老夫婦が営む 

3月10日 元麻布 そば屋 亀屋 道路拡張のため 頑固親父が怒っている

3月14日 阿佐ヶ谷 カーテン屋さん ことぶきインテリア 老舗

3月15日 埼玉・行田市 柳の湯・・・田山花袋の小説「田舎教師」に出てきた銭湯

3月18日 江東区千石 パン屋 千石ベーカリー

3月20日 東池袋 大勝軒 山岸一雄さんの元祖つけ麺屋

3月24日 阿佐ヶ谷 焼き鳥屋 なにわ亭 老齢

3月25日 池袋 サンシャイン内 舶来横丁

3月30日 銀座 ラーメン屋 じゃんがら 

3月31日 横浜 カレーミュージアム

3月31日 東池袋 ライダーカードや漫画、ソフビなど えむぱい屋 再開発

3月31日 銀座 そば屋さん 利久庵 創業45年

3月31日 高輪 カラオケ屋さん レーザー10 創業14年

4月1日 阿佐ヶ谷 家具・雑貨屋 よだ六 後継者難

ジ・エンドはこれからも続く
[PR]

by misejimai | 2007-03-24 22:18
2007年 03月 21日

店は人である

今日の店じまいは、三軒茶屋にあるディスカウントショップ・モリ。
1月31日に閉店した。
茶沢通りを三軒茶屋から入っていくと左手に見える大きな閉店貼り紙。
e0030939_14484647.jpg

























これを書いた店主はこのおじさん。
e0030939_1527215.jpg









隣は奥様。











冬、ここの名物は焼き芋

店の外に焼き芋の容器を出して売っていた

閉店を知った人が「それを売って欲しい」とやってくると、

タダで譲ったという

「その分頑張れ」と声をかけて


e0030939_15363367.jpgそればかりではない

親父さんの趣味はバイク

愛車のハーレーダビッドソンも欲しい人に譲ってしまった

奥様はそんな豪快で情け深い人柄に惚れながらも、いつもハラハラドキドキ

でも「ついてきてよかった」と言う

行ったときも、お客に、半額以上の安値ばんばん売っていた

「これもいる?」とタダであげてもいた 気前がいいのだ

もちろん品揃えも豊富だった

天井から壁から前から後ろから何でも揃っていた


e0030939_1535578.jpg

お店はお客さんからも愛された

寄せ書きに残されているメッセージ

















e0030939_15354789.jpg











お店は、店主の気持ちを現す

笑顔が見たい、幸せになって欲しい、美味しいと感じてもらいたい

そういうお店は閉まっても人の記憶に残る

店を愛するということは人を愛するということ



偶然見つけたこの閉店

今までこの店を全く知らなかった

店を見つけたとき、通りがかりのおばさんに

「店名がモリですけど、ここはモリさんがやってるんでしょうか?」

と聞くと、「そんなことも知らないの!?」と激怒された

今では、おばさんが怒った気持ちも分かる


e0030939_15475256.jpg
[PR]

by misejimai | 2007-03-21 16:09 | ディスカウントショップ
2007年 03月 15日

洗練されていることが果たして

e0030939_230343.jpg今日の店じまいは、墨田区石原の深谷青果。
江戸東京博物館の近くである。
半世紀、ここで果物を売ってきた。
だいたい、月の頭、1日に閉まることはない。
月末になるにつれて閉店が増えるのは常である。
去年の12月31日と言えば
ベルファーレ、アキハバラデパートなど求心力の有る場所での大きな店が閉まったが、
こんなところでも、シャッターを閉めた店があった。














e0030939_237738.jpg隣の肉屋さんは語る
去年から八百屋、銭湯、床屋、時計屋とバタバタ
閉まっていったよ
マンションに入る住人はこのへんでは買わない
生協宅配に済ませちゃうしね
小売りはもはや納屋、卸専門で持ってるよ








e0030939_23285547.jpg閉めた理由はマンションへの立て替え
今年大学生の息子さんは継ぐ気はない
親もそこは分かったものである
イイ値で売れたそうである









余談ですが
そう言えば秋葉原を歩いていたら、
前の信号待ちをしていた若い女の子2人が、
「ヨドバシアキバでかいね」
「なんかのへん変わったよね」
「なんか、こざっぱりしたね」と漏らしていた

僕だってそうだ
都会の華やかさ、おしゃれを求めて田舎から出てきたのに
今ではそれを嘆いている
くすんだ心のアスファルト
それを覆い隠すはずの雪も今年は降らない

マンションが無機質な芳香と金属音を乱射しながら我が物顔で建っていく

自分たちを温かく包み込んでいたはずの商店街は
「だって人が来ないから仕方ないじゃない」とおどけて見せて
マンション、コインパーキング、おしゃれなカフェにコンビニ、漫画喫茶とばかの一つ覚えみたいに横一列に早変わり
人は足止めされたようにどこへ行くわけでもなく、カフェのガラス越しに今日も人の波を見てる
[PR]

by misejimai | 2007-03-15 23:36
2007年 03月 15日

ソシアルサービス

今日の保留音は、エスエス製薬。
「保留中の音楽を聞かせてほしい」とストレートに言うのは野暮なので、
どうしてエスエス製薬はエスエス製薬なのか聞いてみた。

受付「ちょっとお待ち下さい」

いよいよ保留中の音楽が流れる。
流れてきたのは期待に反して、普通のオーソドックス音楽だった。
「テン、テン、テン、テテンテンテンテンテンテンテテテテンテンテン・・・」
何というメロディが分からないが、耳になじみはある。

受付が再び出た。

受付「昔はソシアルサービス=社会奉仕という会社でして、それでエスエスと」
僕「はあ、JJが女性自身の意味みたいなもんですね」
受付「は?」

最後に注文してみる。
「いろいろいい商品を出しているので、保留中の音楽もなんか、いい感じの奉仕を期待
 してます」と言ったら、
「あ、ありがとうございます。参考にさせていただきます」と。

次にかけるときはエスエス製薬の保留中の音楽がどう変わっているのが楽しみだ。
[PR]

by misejimai | 2007-03-15 12:30 | 今日の保留音
2007年 03月 13日

「体力がないとわがままになるね」

今日の店じまいは、石川県金沢市片町にあるそば屋・末廣亭。

e0030939_21285382.jpg
















e0030939_22233143.jpg片町は、石川県最大の歓楽街。
東京で言うと新宿・ゴールデン街だろうか。
小路の隙間に、店の格子に、埃が見え隠れする猥雑さと、
耽美な気品さが挟まっている。

「ふるさとは遠きにありて思ふもの/そして悲しくうたふもの」と、
有名な詩を歌った小説家・室生犀星。
彼が生まれ育ち、ペンネームの由来にもなった「犀川(さいがわ)」が近くを流れる。

この末廣亭はご主人が立ち上げて45年間やってきた。
丁稚奉公ののち、結婚を機に独立。
お父さんは心が大らかで責任感にあふれ、裏表もない。
人に優しく、恵比寿様のような顔をしている。

以上は奥さんの印象。
奥さんは隣のご主人を語るとき、本当に幸せそうな顔をしていた。




e0030939_22344557.jpgお父さんは、そば一筋だった
頑固者とかいうわけではなくて、
客が来たら何時であろうと
断らなかったという
開店時間は朝10時から深夜2時まで

15年前までは朝6時までやってた
お父さん本人曰く、
「お客さんの顔を見ると、釜の湯を
捨てられなかった」




※おろしそば650円


e0030939_2254821.jpg時はバブル宴会全盛期
酔客の波は大きなうねりとなって店を占領していた
あふれる客のあふれる注文にも笑顔で応じていた
6時に閉め、
2時間寝てすぐに下ごしらえに取り掛かる
そんな生活がたたり、体を壊してしまい、何度も入院することに

その間、お母さんがお店を切り盛りしていたが、やはり限界があった
改めてお父さんの偉大さを知り、強まった絆





※ノートがなくなり、たまたま持っていたフリーペーパーにメモ

e0030939_2249765.jpgお父さんは復帰後、ちょっと疲れていた
お客さんが3人なり4人なり団体で来たときには、
みんな同じメニューを頼んでくれないかなと思ってしまった
またたびたび、一度にメニューを覚えられなくなっていった

基本お水はセルフサービスだが、
来店時は必ずお水を出していた

だがあるときお客さんについ
「お水ぐらい自分で取ってよ」と言ってしまった


お父さんは辞めることにした









e0030939_2253121.jpg


そんなお父さんに対して、「主(あるじ)ができなくなったら
私もやめる」
とお母さんは言った

子供を自由に育てすぎた
今や2人の子供はサラリーマン
「もう辞めたら」と今まで何度と無く繰り返すその言葉の影に、
「継がなくてごめんね」というニュアンスを読み取ったのはつい
最近のことだった












店の前で写真を撮る。

実はお母さん込みのもあるのだが、
「それは私の記念だけに撮ってちょうだい」ということで、こちらのお父さんの1ショット
だけのを載せる。


お父さんが「どんなポーズとろうか?」と聞いたので、
「お父さんのお好きなように」と言ったら、
こうやってくれた。
e0030939_21532631.jpg




誇らしげに手を腰に当てて、笑ってくれた

お母さんが
「最後だもん、堂々としてなくちゃね」
[PR]

by misejimai | 2007-03-13 23:13 | そば屋
2007年 03月 05日

院長はおじいさん

今日の店じまいは東大井の小栗動物病院。
e0030939_23112877.jpg























去年の9月に閉院した。


外観
e0030939_2313226.jpg

院長はおじいさん

症状がひどくて他では診てもらえない動物も快く引き受けてくれた
彼の手によってずいぶんと命を救われてきた
そんな院長も病気で去年天国に召された
体調を崩し、たびたび休業していたがついに力尽きた
救われた多くの動物たち

思えば腕の良い獣医というものは
単に命を救うだけではなくて
飼い主とのコミュニケーションに長けている人だ
普段どう暮らしているか どう愛されているかを的確に聞き出し
治療に生かす
飼い主の想いもすくいとってあげる
あなたの飼ってた動物はあの頃のように元気ですか

最後まで投げ出さない獣医の真摯な姿
単にパートナーとして動物を傍に置いていた飼い主も
改めて自分と自然、動物との関係を見直す
ひいては自分も動物であることを知る
ここは命の教室
今日も壁から、助けられたあの犬が人待ち顔してこっちを覗いてる
命の恩人が今日も空から見守っている


e0030939_07508.jpg
[PR]

by misejimai | 2007-03-05 00:30
2007年 03月 04日

報告

*来週火曜日6日11:30~14:00
  J-WAVE「M+(music plus)」内ブログのコーナーに出演します。
  http://www.j-wave.co.jp/original/musicplus/

*来週金曜日9日深夜1時~
  テレビ東京「マニアの叫び」に出演します。

*雑誌「散歩の達人」に連載します。
  今月20日発売からの4月号からです。
[PR]

by misejimai | 2007-03-04 22:26