店じまい・店びらき ~閉店のヘキレキ~

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2007年 01月 31日

雑感

人という生き物は不思議に満ちています。話をすることを了解し、話しているうちに、多分かすかな靄(もや)のような、一点の染みのような『NO』が一瞬のうちに脳内に支配されてしまうのでしょう、急に話を辞めてしまうのです。またこちらが正体を明かさないうちは気軽に会話をするものの、やがて『実はこんなことやってましてね』と切り出すと、途端に『いま忙しい』。う~ん、閉める店主の心は山の天気か秋の空。そして最近見えてきた、書くことは傷つけるという真実。ペンは強い、だけどその分突き刺さる。馬喰横山にて思う
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by misejimai | 2007-01-31 13:38
2007年 01月 25日

電車でチラ見した本の一行

木曜日の山手線、夕方3時40分。左隣の男性、白髪、品が良さそうなサラリーマン。ハーフコート。時折右手を振っている。目の前に何かが飛んでいるのか、何かの指の運動か。そんな男性が読んでいるハードカバーの一行。
『これは、誤解している人が非常に多いと思うのだが、』
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by misejimai | 2007-01-25 15:50
2007年 01月 24日

お願い百景

神保町から淡路町へ向かう靖国通り沿いにあった、季節外れの短冊。

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今度からは、その「いいこと」を具体的に書こう!




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今度はやけに具体的だね!














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菊川怜を目指してるのかな?










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かなりのお風呂好きと見たよ!

















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願い事というより、宣言だね!!



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今から鍛えておこう!!
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by misejimai | 2007-01-24 04:26 | 七夕の願い事
2007年 01月 24日

日本人の心の限界点

e0030939_2274799.jpg今日の店じまいは、六本木6丁目にある居酒屋「三州屋」(さんしゅうや)。



















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六本木の中でもひときわ「おやじ臭」がしていた。
アマンド横の芋洗坂を下り、吉野家の角を右に曲がった先にあった。

















閉店理由は立ち退き再開発のため、である。
この一帯は全てそうである。

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白壁の部分はタイ料理が食べられるバー・Castillo(カスティージョ)。
こちらは移転した。

その隣の店は「よかろう六本木店」。こちらはまたどこかで
再開したい旨が書かれてある。

その隣が「三州屋」である。





白い大きなのれんをかき分けて店内に入ると、客同士が向かい合わせになるような2つの直線カウンターが店の中央を貫いている。
その直線カウンターに仕切られるように、右には20数席のテーブル席、左には15人分ほどの小上がりの座敷席と両側に展開。

お通しは小鉢にたっぷりのシラスおろし。
三州屋の共通のメニューは「とり豆腐」。鶏の水炊きを丼鉢に盛ったもの。
メニューは極太の焼きたらこ。どじょうの丸煮など、どれも500、600円で済ませられる。

生玉子は無料なので、ご飯をもらって最後は玉子かけご飯でシメるというのが通の定番。



さて。
「全国居酒屋紀行」などを著している呑んべえのカリスマ・太田和彦氏の弁によれば、
「世の中の変化の速度が人間の限界点を超えつつあって、その変化に疲れた心身を浄化
 させる場という役割を居酒屋が果たしている」という。

この店のカウンターには足元に仕切り板がなかったので、うっかりすると反対側に座っていた
人の足を蹴ってしまい、お互いが会釈し、謝ることもよくあったという。
人にぶつかっても、靴を踏んでも何も言わない人が増えた今、
最も尊く、最も微笑ましい光景がこの居酒屋には残されていた。


女将は店を閉めて驚いたことがある。
こんなに店の再開を待ち望んでいる人がいるのか、と。
ありがたい一方で、「場所がない」ともつぶやく。
お客さんの声が消えない限り、またどこかで開くだろう。いやきっと開いて欲しい。
「そのときはお知らせします」という言葉が頼もしく聞こえた。
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by misejimai | 2007-01-24 03:42 | 居酒屋
2007年 01月 18日

お米を研ぐことは日本の食文化です

e0030939_23202579.jpg今日の店じまいは江東区北砂、お米の専門店・臼杵(うすき)商店。
夫婦と娘さんの3人で営んでいた。

去年9月、創業50年を前に閉店。
ご主人が体調を崩し、これ以上店を開くことが出来なくなったからだ。
そろそろここを引っ越そうと思っている。
現在は向かいの果物屋さんのバナナとパイナップルが置いてある。













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今まで「めざにゅ~」「アド街」「ズームインSUPER」「クリック!」
など様々な番組で紹介されたという。
店のお母さんも、「今までいろいろな番組でお世話になって・・・」と謝意を述べる。

このお店では、買った分だけその場で精米をしてくれた。
この店頭精米、パン屋の焼きたてパンをヒントに始めたという。
「お米も精米したてが一番おいしい」「少ない量から買えるから
助かる」と評判だったが、それ
以上にお客さんからこの店が愛されていた理由が、お米の
研ぎ方、美味しいお米の食べ方を教えてくれたところにあった。

研ぐときは横着をせず、手の平で米粒同士をこすり合わせる
ようにリズミカルに、心を込めて米粒を磨く。
お米は大きな釜で炊くのが一番。濡れた布巾をかけて空気に
触れないようにしておけば美味しく食べられる。






また「コメを研ぐのは食文化である」として、コメを研ぐことの意味も教えてくれた。
英語で「米を研ぐ」は「wash rice」。しかし、これでは“らしさ”は出ない。米文化のお隣・韓国でもお米は「洗う」という言葉に相当する言葉しかないらしい。
やはり「研ぐ」は「研ぐ」なのである。
つい最近まであったお店のホームページの名前は「愛をコメて」だった。

ご主人は言う。
「自分の力だけじゃできなかったけど、いい奥さんといい娘がいてくれるからがんばれた」。


お店は、砂町銀座商店街にある。
戸越銀座、武蔵小山、中野ブロードウェイ、ハッピーロード大山、巣鴨地蔵通り商店街と
まだまだ元気な商店街の中でも道が細いため、道の両側に目線が届く。アメ横よりも道が
細い。
人の波に触れながら歩く。
美味しそうな匂い。
人の笑顔。
売り子の声。
五感に響く商店街。
また1つ、店が消えた。

往時の頃の写真をお借りした。e0030939_23234756.jpg











黄色い閉店の貼り紙は、値段を書いたり、いろいろ書くためのものであった。
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by misejimai | 2007-01-18 23:34 | お米屋さん
2007年 01月 13日

人間は、少し貧しいほうが幸せになれるのです

西新宿7丁目。
盛りのついている酔客が通り過ぎる路上の片隅に打ち捨てられた肉片が、
日本人の指から零れ落ちた幸せの破片の象徴・・・

さてそのお隣にある8丁目は今、再開発のためほとんど全ての敷地が立ち退きしている。
青梅街道の北側である。
戦後の焼け野原か、再開発の絨毯爆撃を受けている。

夜の小路をさまようと見えてきたバー「やすこ」。
e0030939_2340638.jpg店の記憶を聞こうとも、人の気配すらない一帯にその
寄る辺もなく、ただシャッターを切る。

しかし隣に「おかまバー」があった。
夜の海のような静寂が支配する中、その場所だけ強烈な磁場を放っていた。

店内から差し込む光に反射されて店主の顔は見えなかったか、そとれも僕が目を
合わせなかったか。



「今はどこにいっちゃったかね~」。
ただ分かったのはその名の通り、やすこさんが切り盛りしていたということだった。


貼り紙
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おかまバー以外あまりに人の匂いがしないので誰か声を聞きたくて歩いていると、
交番があった。
僕 「この辺は再開発が・・・」
店主「そうだねぇ、何もなくなっちゃったね~。道の反対側が特にひどいね。こっちは
    まだ整理がついてないみたいだね」

わずかな出会いでも大事にしたい警察官も珍しい。
彼は人に飢えているかのようにその後もいろいろしゃべって
くれた。

さらに道を歩いていくとクリーニング屋や中華料理屋、コンビニなどがぽつぽつ
見え始める。
ここでも住人たちは特に避けることなく話をしてくれた。
再開発の真空地帯によってバラバラになったコミニュティに
人情が育つという奇妙な逆転現象。

ヘッドラインは、ビルマの高僧が言った言葉である。
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by misejimai | 2007-01-13 23:58 | バー
2007年 01月 10日

電車でチラ見した本の一行

水曜日の山手線、夕方5時40分。左隣の若い女性。ふとももに乗せるわけでもなく、左手で向かい側にブックカバーがきっちり見えるように彼女が読んでいる文庫本の一行。
『芥川は、顔のほくろにちょっと手を当てて、』 多分『華麗なる一族』。
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by misejimai | 2007-01-10 17:52