店じまい・店びらき ~閉店のヘキレキ~

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2005年 10月 29日

カフェ・ベローチェ閉店

今回の閉店の貼り紙は、
カフェ・ベローチェ神谷町店。
投稿してくれたのは偶然にも仕事仲間(いつもお世話になってます^^)


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「不測の事態」とはこのことを言うのでしょうか

ここのホットココアが好きで
訪れるたびに必ず「ホットココア」と注文していました

でもここには実際、「ホットココア」という飲み物は存在しておらず、
「ココアラテ」という名前でした
しかしあれは誰が言おうと「ホットココア」なので、「ココアラテ」と注文していた

そして決まって注文を受けるあの女性店員は
「ココアラテですね」と言い直していました

何度も何度も言い直すその姿勢に私は片想いをした
「作る人だけに言えばいいじゃない」
と心の中で思いつつも、強情さに惚れました

ココアラテと店内に流れる音楽さえあれば
音楽家にも、恋愛詩人にもなれた

店員に告白しようと決めていたあの日
もう片想いは終わるかもしれないと訪れたら
店は突然閉まっていた

「ホットココアお願いします」と言ったあの時、
君の沈黙が長かった理由が今、分かった気がした

シャッターが風景を刻んだとき、
彼女はいませんでした


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by misejimai | 2005-10-29 23:01 | 喫茶店
2005年 10月 29日

手書きの閉店

今回の閉店の貼り紙は、
新宿・大久保の小滝橋通り沿いにあった写真屋さん、西川フォート。


e0030939_18145740.jpg右の手の平に入ったままの鉛筆の芯が、今も僕を見つめている
でもごめん。 もう、鉛筆を握っていた感触など忘れてしまったよ

それでも匂いだけは覚えている・・・黒鉛の匂い・・・だよネ?

そう言えば、文字を書くときはいつも匂いと一緒だったな

マジックのすえた匂い…
中学の天文学同好会で夜遅くまで模造紙に報告を書いたっけ
下に何も敷かずに床にマジックが染み出して怒られたよなぁ

クーピーペンシルの匂い…
クーピーが入っている缶ケースの上ぶたをペコペコさせるのが好きだったな
でも12色揃ったことはなく、歯抜けみたいに1人は必ず欠席
してた

クレヨンの匂い…
おばあちゃんの葬式の日 以前おばあちゃんから買ってもらった
マクロスの塗り絵帳 もう塗り終えていたのに なぜか重ね塗り



どの筆記用具もみんな大好きだったよ

だから・・・

閉店に際してこんなことを言うのも失礼だけど
「手書き」の貼り紙が嬉しいんだ

でも・・・
もう一度謝ります

同じ字をジャポニカ学習帳に書いていたら、
何の字か分からなくなってしまったように、

この先、次から次へと閉店を繰り返すと、
何も感じなくなってしまうのが怖い


厚さ1cmの電脳の窓と
指先だけが外界をつなぐ僕からの
手書きではないメッセージです


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by misejimai | 2005-10-29 18:16 | 写真屋さん
2005年 10月 29日

ウソの得意な女

今回の閉店の貼り紙は、
高田馬場にある、いやあったラーメン屋
「極みだし 銀麺」。



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最初は少し緊張して
でも好奇心で暖簾をくぐる

今までどんな人を虜にしてきたのかな・・・
うまく自分を受け入れてくれるかな・・・
そんな不安もある

でも口の中に広がるスープとともに
心にも安堵が広がる
1秒ごとに距離が縮まっていく

それなのに
別れの「わ」の字も言わないで
さよならの「さ」の字も口にせずに
あなたは去っていく

「ありがとうございました!またお越しください」と
言ったくせに

だけど-
えぞ菊 がんこ 一風堂  味源 次郎 俺の空・・・
ラーメン激戦区にあって仕方ないのかもしれない

ウソの得意な女にさせたのは
僕たちなのかもしれない

ねえ乾杯しようか・・・
瓶をしっかり押さえてて・・・

閉店に出くわしたとき、人は
涙のシャンパンをまた開ける

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by misejimai | 2005-10-29 00:19 | ラーメン屋
2005年 10月 28日

閉店予告

今回の閉店の貼り紙は、
四谷麹町の立ち食いそば屋「こうじ庵」。
来月末の閉店を告知している。

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人に来世があるように
店にも来世があるとしたら
この店の来世も
人の笑顔を見続けていって欲しいと思う

何をしようが
どう改装しようが
挨拶を明るくしようが
潰れるのが運命ならば
閉まるのが必然ならば
最後はせめて笑顔でお客さんを迎えて欲しい







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「閉まってしまって残念だね」と言った客が
1つ先の駅に着くぐらいの間に
その悲しみを忘れてしまうならば
小さなシミも消えてしまうならば
最後は満面の笑みで蕎麦を打って欲しい

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by misejimai | 2005-10-28 00:07 | そば屋
2005年 10月 27日

さよなら母校

明け方の明治通り
いつか行ってみようかと思いつつ
でも行くのは何かこそばゆく
そのうち
そのうち
訪ねてみようかと
早や10年

僕が東京の街で生活し始めた最初の
出発点・池袋

そこに「駿優予備校」という予備校があった
駿台から独立した岩田というおじさんが
開校した予備校
丁寧な指導 アットホームな雰囲気
マンモスな東京の街で 予備校もマンモスに埋もれるのは
イヤだ、と親とともに入学手続きをしたあの日

あの日、初々しさいっぱいで扉を開けたドアは
閉鎖され、
自転車置き場と成り代わっていた

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表玄関は・・・

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美容室になっていた

ネットで確認してみた
電話でも確認した
どうやら潰れたらしい
一体何があったのか
何があったのか

ここに通ったていたのはたった1年だったが
貴重な1年だった




永井荷風・夏目漱石・小泉八雲・竹久夢二・・・
著名人が多く眠る雑司が谷霊園のすぐ斜め横に
あった予備校

今、ここに眠る

さよなら

あの先生、どうしてるかな
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by misejimai | 2005-10-27 19:44 | 店の跡地には
2005年 10月 25日

さよならバーバー

今回の閉店の貼り紙は、明治通り沿い・大久保にある、
いやあった、「理容・明朗」。
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ただ人の髪の毛を刈り込んできただけなのに
ただ頭髪のかゆいところを指で掻いていただけ
なのに








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「明治通りが拡幅する」
空いている“ためし”がないこの道の幅が広くなるのはドライバーにとっては嬉しい
だがそのために人生の軌道が大きく外れる人もいる

何かが生まれるために
誰かが犠牲になるのが世の常ならば

人のために役に立つことが
人のためにならないことが世の常ならば

僕らは何を信じて目の前の道を歩んでいけばいいのだろうか

今の幸せにどれだけの人柱が費やされているのか、考えてみたい


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by misejimai | 2005-10-25 21:30
2005年 10月 20日

宣伝

新しいブログをもう1つ立ち上げました。
こことは全く違った感じになってます。

迷惑メールのラブストーリー
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by misejimai | 2005-10-20 10:35
2005年 10月 18日

食うか食われるか

今回の閉店看板は新宿御苑にある、
いや新宿にあったファーストキッチンだ。


e0030939_16394996.jpgご飯に味噌汁、焼き魚
日本人の食卓を長らく占めていたつつましい
食事は、
高カロリー高タンパクを含んだ駆逐艦によって
かき乱され、もはや何が日本食なのか
分からなくなっている

しかし、そんな最強と言われた黒船
でさえも潰れる時代

速いのは、ハンバーガーが出される時間だけ
ではなかった

この日本は、どこまで全てを食い物にすれば気が
済むのか





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                         かつて「1」と書かれていた三角形の看板は
                            取り外され、御苑の空に
                            切れた裸のフィラメントが嘆く

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by misejimai | 2005-10-18 17:15
2005年 10月 18日

更新まで

水曜までお待ちください。
お待たせしてすみません!
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by misejimai | 2005-10-18 09:56
2005年 10月 11日

おばあちゃんの鯛焼き屋

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今回の閉店看板は、自由が丘駅南口のガード下にある、
いやあった『寿々喜屋(すすきや)』。
おばあちゃんが1人でやっていた、
鯛焼き屋さんでした。僕が行くと、
そこには白い、どこまでも白いシャッターに、
目を凝らさないと見えない小さな文字で、
こっそりと、ひっそりと紙が貼ってありました。









            
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                          まるで、消えていくことを恥ずかしがるように、
                          さよならの言葉が小さく書いてありました。



あれは僕が小学校2年生の頃、
庭先に咲き誇る花びらを取って
玄関に並べて得意げになっていた

でも、それにひどく腹を立てたお母さんが
暗い押入れに僕を閉じ込めてしまった

そんなお母さんをたしなめて
押入れから出してくれたのは、おばあちゃんだった

そのあと、
僕とお母さん、おばあちゃんでスーパーに行った
僕は自動ドアの横にある鯛焼き屋で
自分のお財布から70円の鯛焼きを買って、
おばあちゃんにあげた。
「押入れから出してくれてありがとう」

でも、おばあちゃんはこう言った
「ありがとう。でも、半分も食べられないの」


時は流れて2003年
目黒に住んでいた僕は
自由が丘駅の前で人と待ち合わせしていた

小腹が空いた僕は
そこに鯛焼き屋を見つけた
          
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僕は1人で鯛焼きを焼いているおばあちゃんに、
僕のおばあちゃんを重ね合わせていた

そして、
あの時、
半分も食べられなかったのは、
遠慮していたからだったんじゃなく
もうお腹に入らなかったんだと思った

今、この世にはもういない、僕のおばあちゃん

e0030939_23544992.jpgそしてもう1人いないおばあちゃん 鯛焼き屋のおばあちゃん

しっぽの先まで、あんこと優しさと真心の
詰まった想い出の味 さようなら


※開店時の写真はココログのブロガー、
 (ぴ)さんの「ぴのカメラいじり」から
 お借りしました。
 (ぴ)さん、ありがとうございます。
 すばらしい写真ブログです。
 皆さん、是非ご覧ください。
 (ぴ)のカメラいじり
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by misejimai | 2005-10-11 00:27 | 鯛焼き屋