店じまい・店びらき ~閉店のヘキレキ~

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カテゴリ:料理店( 4 )


2009年 09月 04日

圧勝の裏で

今日の店じまいは、神田須田町、駅のガード下にあった天津飯店。
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お客さんからの寄せ書きが書かれている。

かれこれ30年以上やってきたようだ。
「やっぱりお客さんも入らなくなってたし」
と言うのは、隣の隣の居酒屋の親父さん。
そんな親父さんも、そろそろ閉店を考えているという。
「民主党になったから景気も上向くと思うけどね・・・」

小泉さんになってからの恨み節をいくつかの店で聞いてきた。
日本にとって不毛で空白の政権だったようだ。
それに追い打ちをかけた、今の総理。


店の裏に回ってみた。
洗濯機の上に野ざらしの新聞は、
民主党の圧勝を伝えていた。
こうしているまさに今も、全国の店主の苦悩は続いている。
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by misejimai | 2009-09-04 16:29 | 料理店
2009年 02月 06日

青山・高樹町フランス亭

2008年10月、
南青山・高樹町にあるフランス料理屋さん
「高樹町フランス亭」が閉店。

念のため言っておくが、下北沢をはじめ
街でよく見かけるカレー・ステーキのお店とは別個のものである。
元店主によれば「そちらが本部ですか?」という問い合わせを多くいただいたことも
あったそうだが、向こうは平仮名の「ふらんす亭」である。

以下は元店主の許諾のもと、ホームページ(http://www.geocities.jp/francetei7/)から参考にさせていただいた。
また電話取材にも快く応じていただいた。ありがとうございます。

e0030939_1159164.jpgフランス料理の店と言っても堅苦しくなく、むしろアットホームな
雰囲気が評判だった「高樹町フランス亭」
それはまるで昔からの友人のように、家族のように迎えてくれて
いた

「最初は、敷居が高そうで入りにくかったが、1度入ってしまうと、
何で、もっと早く入らなかったんだろう」とお客さんから嬉しい
言葉をいただいたこともあったという

本格的な煮込み料理が人気で、
その決め手となるデミソースは25日間煮込んだもの。

『当店の煮込みは、コト、コト、じっくりつきっきりで、
神経を使い、おいしく、おいしくなるようにと願いながら煮込んで
おります。』とは、元店主の言葉




最後の3年間は、お客様の励ましだけで、続ける事が出来た
最後の半年は、予約のみで営業していた
お客さんからは「止めないでね。絶対止めないでね。私達が困るから。本当よ。本当にそうよ」と言われていた


e0030939_11563239.jpg多くの常連客の中にいた1人に「93才」の「おじいちゃま」が
いたという
毎年、必ず、おいしい「年越しそば」を
持ってきてくれた。

また自分の気に入ったお菓子、食べ物があると、おすそ分けとして、
「おやじ、これ持ってきたぞー、これ、
うまいぞー」と持ってきた
また自分が使わないからと上等の
マフラーをいくつかプレゼントしてくれたこともあったとか。

すっかり家族同然のお付き合いとなり、ずいぶんと励まされたという

元店主曰く「仕事の合間のひとくち、
疲れが和らぎ、また、とても気持ちも
癒されました」


                そんな「おじいちゃま」が大動脈瘤で、入院

              「フランス亭の、あの美味しいコーヒーが飲みたい」

        元店主は、たてたばかりのコーヒーをジャーに入れ、病院にお見舞いに行った
         その思いがけないお見舞い品に、「おじいちゃま」はとても、喜んだという

        「うめぇーなあ、やっぱりフランス亭のコーヒーは」と、うまい、うまいを連発

                   元店主はうれしく病院をあとにした

             「おじいちゃま」は平成20年9月6日にお亡くなりになった

                         香典返しは
                 イタリア製の手袋と、しゃれた和菓子、
                           そして
           「おじいちゃま」が1番気に入っていた自分の写真が送られてきた

         その写真には、タバコを加え斜めに構えた、おしゃれがとても上手だった「おじいちゃま」が写っていた

      「写真立ての中で、まるで生きているように、語りかけてきそうな気がします」と元店主

              「人間、90年も生きてら、いろんな事が、あるわな。」
                    「機械なら、とっくに壊れてらー。」
                         「人間て、よく出来てるよ」
                     「多少のことは、しょうがないわなあー」
                     元店主に投げかけた言葉の贈り物
                       それを励みに頑張ってきた

                              だが・・・

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元店主様に取材のアプローチをしたとき、
「お店の批評はしないという約束なら」と載せることをお許しいただいた
お客さんがこの店で得た幸せな想い出や体験を、何者かも分からない自分の批評で塗りなおされたくない
という考えがあるからなのかもしれない
閉めてもなお通われたお客さんを大事にする姿勢に胸打たれた

ホームページには、こんな文章があった


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1階、当店が入っていた部分を貸店舗として募集致します。  
フランス料理店、イタリア料理店、美容院などに最適かと思われます。シックな作りで、レンガの壁、しっくい調の天井、時代を思わせる木の柱。雰囲気は”時を忘れる
ような”が売りの店でした。店の全面、大きなスモークのガラス張りとなっております。
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by misejimai | 2009-02-06 18:18 | 料理店
2006年 05月 21日

生まれは東京オリンピック

e0030939_1837362.jpg今日の店じまいは、目黒駅西口の
老舗中華料理屋さん、上海園。
高度成長真っ只中の東京オリンピックの年に開店した
という。

店主の威勢のいい声がいつも店の外にも聞こえていたが、
彼はこの文言を入れることで何かを伝えたかったのだろうか。

さて閉店の理由は「地上げ」。
地主が土地を売り払い、新しいビルを建てるのだが、
そこのテナント料が今までの3倍と莫大なものになる
という。
結局、店を維持することが不可能となり、幕引き。





そして3カ月後-


以下は、東京オリンピックの開会式を実況した、故・北出清五郎アナウンサーの中継をもじりました。

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世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような、
素晴らしい解体日和でございます。







パイロンの入場であります、
赤いの炎、黄色と黒のトラパイプをたずさえて、パイロンが
入場してまいりました。







e0030939_19145817.jpg栄光の最終解体業者は明治19年生まれ、
首都圏を中心とした地域への都市ガス供給を
通じて、お客さまの豊かな暮らしや産業の発展を
支えている120年の老舗、東京ガスくんです。
不要となった供給管の撤去工事をしております。










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あの戦争の敗北による荒廃の中から、今日本は復興しました。
東京オリンピックが開かれた年に生を受けた上海園が、
今、風前の灯として、足取りも重く断末魔への階段を上っていきました!

消える上海園の聖なる灯、商業主義の精神で集え新たなテナント!!

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by misejimai | 2006-05-21 19:23 | 料理店
2005年 09月 09日

「閉店」は突然に

もはやこのご時世、「あそこの店、いつか行ってみよう」は、“危うい”と思い知らされた。

今日の閉店看板は、江東区住吉にあった酒寮「ひょっとこ」。
讃岐うどんや松坂牛、ほかにも海の幸を生かした作った料理など、
幅広いメニューが売りの人気店だった。
突然の閉店に驚き、後悔している。



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破って捨てた日めくりカレンダー
ガムが張り付いた紙の日付は8月31日
この日までは 確かにあなたは生きていた
「いつか会いに行こう」と思ってたのに

この7日間だけでも いろいろなものが通り過ぎ、
僕に気づかせてくれたよ

オムライスにケチャップで「バカ」と
書いた彼女に愛を感じたし

最近クーラーを使わなくなった
ことに皮肉にも秋を感じたし


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それなのに
あなただけは 僕に何も知らせずに行ってしまった

「ひょっとこ」だなんて、おちゃらけたふりをして
そのお面の裏でどんなに泣いていたかなんて
気づいてやれなかった
ごめんね




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いつも口をとがらせて 
しゃべりづらそうにしていたから
電話できなかったのかな
それともちょうどその時、僕が電源を切っていたかしら

それならそうと手紙をくれてもよかったものを
あなたは突然行ってしまった

破って捨てた日めくりカレンダーを
セロテープで元に戻したら
地球さん、8月31日になってくれますか




今日ご紹介したお店はこの辺りにあります。
「ひょっとこ」地図。 




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by misejimai | 2005-09-09 00:56 | 料理店