カテゴリ:鯛焼き屋( 1 )


2005年 10月 11日

おばあちゃんの鯛焼き屋

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今回の閉店看板は、自由が丘駅南口のガード下にある、
いやあった『寿々喜屋(すすきや)』。
おばあちゃんが1人でやっていた、
鯛焼き屋さんでした。僕が行くと、
そこには白い、どこまでも白いシャッターに、
目を凝らさないと見えない小さな文字で、
こっそりと、ひっそりと紙が貼ってありました。









            
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                          まるで、消えていくことを恥ずかしがるように、
                          さよならの言葉が小さく書いてありました。



あれは僕が小学校2年生の頃、
庭先に咲き誇る花びらを取って
玄関に並べて得意げになっていた

でも、それにひどく腹を立てたお母さんが
暗い押入れに僕を閉じ込めてしまった

そんなお母さんをたしなめて
押入れから出してくれたのは、おばあちゃんだった

そのあと、
僕とお母さん、おばあちゃんでスーパーに行った
僕は自動ドアの横にある鯛焼き屋で
自分のお財布から70円の鯛焼きを買って、
おばあちゃんにあげた。
「押入れから出してくれてありがとう」

でも、おばあちゃんはこう言った
「ありがとう。でも、半分も食べられないの」


時は流れて2003年
目黒に住んでいた僕は
自由が丘駅の前で人と待ち合わせしていた

小腹が空いた僕は
そこに鯛焼き屋を見つけた
          
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僕は1人で鯛焼きを焼いているおばあちゃんに、
僕のおばあちゃんを重ね合わせていた

そして、
あの時、
半分も食べられなかったのは、
遠慮していたからだったんじゃなく
もうお腹に入らなかったんだと思った

今、この世にはもういない、僕のおばあちゃん

e0030939_23544992.jpgそしてもう1人いないおばあちゃん 鯛焼き屋のおばあちゃん

しっぽの先まで、あんこと優しさと真心の
詰まった想い出の味 さようなら


※開店時の写真はココログのブロガー、
 (ぴ)さんの「ぴのカメラいじり」から
 お借りしました。
 (ぴ)さん、ありがとうございます。
 すばらしい写真ブログです。
 皆さん、是非ご覧ください。
 (ぴ)のカメラいじり
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by misejimai | 2005-10-11 00:27 | 鯛焼き屋