店じまい・店びらき ~閉店のヘキレキ~

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カテゴリ:とんかつ屋さん( 2 )


2010年 01月 07日

少女からの表彰状

今日の店じまいは、江東区千石にあった、「とんかつ ひら井」。
夫婦2人でやっている店だった。


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ガラスケースの中に張ってある、
閉店貼り紙。











この貼り紙の下に、お客さんからであろう、手紙が貼ってあった。
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まだお店がやっているときに来店した小学生が送ったものらしい。
「これからもお体にきをつけて」という言葉が今となってはちょっと悲しい。

片づけ中で気ぜわしいご主人に電話で尋ねてみた。

Q.貼り紙の下にお手紙がありましたが。
A.お客さんで来た子が手紙をくれたのさ。ありがたいよね。
  今回閉めるから、ちょっと貼っておこうと思ったわけ。誰かに教えたいじゃない、なんか。
  その子が通りかかったら喜ぶんじゃないかな。人の気持ちは大切にしなきゃと思ってさ。




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閉店したことは、少女やその家族には特段、知らせていないという。
だから、
この店の前をもし通りがかった時、というより再度食べに来ようとやってきた時、
初めて知ることになるのかもしれない。
自分が店に宛てた手紙が飾られていると分かった時、彼女はちょっぴり恥ずかしく
なるのかもしれない。でも誇りに思って欲しいと思う。

なぜなら、ご主人にとって、「おいしかった」と直接声はかけられても、こうしてお客
さんから手紙をもらうようなことは初めてだったから。

一徹なご主人の心をじんわりと満たしてくれた最初で最後の手紙は、いわば40年の歴史への表彰状といったところだろうか。

この手紙は、少女がこの店でもらった美味しかった想い出と同じように、ご主人の
一生の宝物になるに違いない。
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by misejimai | 2010-01-07 14:54 | とんかつ屋さん
2005年 09月 26日

直径4メートル

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今回の閉店の貼り紙は、中野区弥生町にある、いやあった
「ろいやる」。
とんかつ屋さんである。









味に香りに彩りと  
薄衣にギュッと詰め込んで
低温で二度揚げした ロースかつ
黄金色に輝く宝物をお箸でおごそかに割れば
肉汁とお母さんの優しさがあふれ出す
胃もたれしない“あっさり”風味


本店は、同じ弥生町にある「皇華飯店」 
中野新橋では有名な中華料理屋さん 
“冷めても美味しい中華”が売り

その本店を切り盛りする息子が、ある時  
横断歩道を渡ろうとする母親を見かけた

「ろいやる」を曲がる交差点にある 
わずか4メートルの横断歩道

信号が赤になるまでに渡りきれていない母親を見て
息子は決めた
「もう、閉めさせてあげよう」

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「死ぬまで続ける」
そう固く心に決めていたお母さん

お笑い芸人と力士の町、中野新橋に構えて17年
お母さんと常連の客たちが、長い年月をかけ練り上げてきた空間「ろいやる」

人が店閉まいを決めるのは、
意外にあっけなかったりする

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by misejimai | 2005-09-26 22:09 | とんかつ屋さん