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2007年 02月 12日

秋葉原は電気メイドの夢を見るか?

e0030939_271792.jpg今日の店じまいは今更ながら、秋葉原駅前にあったアキハバラデパート。
55年続いたが、建物の老朽化と売り上げの落ち込みで閉店。
去年の12月31日に閉めた。

店頭での実演販売はデパートの名物。
全国の実演販売人にとって「腕試しの場」となっていった。
穴あき包丁やスライサーなどを操るおなじみの実演販売人の顔も
よく見かけた。











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最近、久しぶりに映画「ブレードランナー」を見た。
原作の小説のタイトルは、
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」である。

映画の世界である奇怪な高層ビルの巨大都市は完璧なまでに機械で
制御されている。
人が誰しも一度は近未来像の中に描いたエアカーが飛び回っている。
一見甘美なユートピアだ。
しかし空には、得体の知れないスモッグが覆い、止むことのない酸性雨が降りしきる。

そんな都市に住むのは、人間と寸分違わぬ外見を持つレプリカントたち、つまりは
それぞれ「ご主人様」のために働き、奉仕するアンドロイドであった。




映画が作られたのは82年。
それから25年が経ち、
秋葉原には、ご主人様のために奉仕するメイドが大活躍している。
恐ろしいほど単調な言葉を、レプリカントばりにマニュアル通りに繰り返すカノジョたち。
ツンデレ系もその分派である。
その単調さと、人間が機械に変容し、自分の思い通りになる快感を求めて、今日も多くの
擬似カレシが足を運ぶ。

そこには、お客さんに合わせて丁々発止、テンポの良い名調子と掛け声で商品を売り込む人間はいない。

アキハバラデパートが閉店したのに伴い、次の実演場所が見つからないために引退を余儀なくされた販売者もいた。

この街にメイドが増え、それとは反対に人間・実演販売人が消えたのは、
秋葉原が立派な「ブレードランナー」の都市に変わったことを決定づける歴史的な事件
ではないだろうか。象徴ではなかったか。


12月31日最後の日、周りを取り囲む人たちに実演販売人たちは
「お世話になりました。良いお年を」と声をかけ、常連客と3本締めをしたそうだ。
いくらロボットが精巧だからといって、3本締めの小気味よさは人間にはかなうまい。

と言いつつ我々も、携帯電話という第二の感覚器官を持ち、
驚異的な医療技術で失われた四肢を補うことができ、
検索ポタン1つで圧倒的な情報量を自分のものにすることが出来るという点で、
確実に、今までの「ヒト」を越えた、「新生命体」に近づいているのだが。


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日がな、ここで掃除をしているおじさん。
「次は何になるんだろうね~」

ビルの今後に関する正式発表はこの春出されるもよう。
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by misejimai | 2007-02-12 02:24 | デパート