つぶれそうなレストランが立ち直るドラマに彼女は出ていたが、
今の山口本人からすれば千石みたいに優秀な人が実家を
立て直してくれないかと思っていることだろう。
この度、諸般の事情により、8月31日をもちまして、ホテル鯉保の
営業を終了させて頂くことになりました。
故山口雅平の遺志を継ぎ、役員・従業員力を合わせ、精進してゆく
所存でございましたが、創業120年という歴史の重みをしっかりと
受け止めつつも、変わりゆく時代の流れの中で大きな柱を失い、
上記のような決意をするに至りました。長い歳月にわたり、鯉保を
愛してくださった皆々様、ほんとうにありがとうございました。
今後は、多くの皆様に賜りましたご厚情に報いるためにも、ふるさと
栃木のためにも、新しい道を模索し真摯に努力してゆく所存で
ございます。
※閉鎖されてしまったホテル鯉保(こいやす)のホームページの文章から。
旅館に試しに電話するとつながった。
「はい」
おじさんの元気の良い声が聞こえてきた。しかしホテル鯉保とは言わない。
「閉店の看板はありますか?」
「いえ、まだそういうのもございません。
「ではまだ、宿自体も取り壊されてない?」
「ええ、まだです」
それまで、おじさんの元気な声は衰えることはなかった。
精一杯の対応なのだろうか。ただ、まだ取り壊すといった段階には来ず、
整理している最中なのだろうと察する。